村上春樹の長編小説「騎士団長殺し」を読んで・・・

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    村上春樹さんの長編小説「騎士団長殺し」は「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」以来4年ぶり。複数巻にまたがる長編「1Q84」以来で7年ぶりとなる。

     

    もちろん新刊「騎士団長殺し」は発売日に即、会社帰りに購入し、家に帰って老眼鏡をかけ、久しぶりの村上さんの長編かぁ〜と思い

    、コーヒーを入れ、ソファーに座り、ゆっくりと、その主人公の私とリズムに合うように、本のページをゆっくりとめくっていった。

    そして、毎日ゆっくりと僕のリズムと集中力を出せる時間を見計らって、ページをめくって行った・・・

     

    前にも書いたが、村上さんの作品とは約35年近 く触れる時間が流れ続けた来た訳だが、新刊が出る度に社会現象になるとは思わなかったが・・・

     

    ただ、残念な事に、今回の作品のアマゾンのレビューなど見ると、過去の焼き直しやら、モチーフの使い回しやらの批評のレビューが多く、そう言う読書もいるんだと・・・確かに、好きか嫌いかに別れる村上ワールドでもある訳だが・・・

     

    あのころ、僕は音楽が全てで、小説なんか殆ど読まなかったんだが、何故か、1982年の小説「羊をめぐる冒険」が出た頃、ある雑誌で村上さんの特集があり、取り上げられた内容が、僕の心の何かをノックして、読みたくなり・・・ただ、この作品が3部作であることを知り、まずは、1作目の「風の歌を聴け」から自然と、与えられた使命の 様に、誰にも触れられたくない僕の心の奥底と会話し続け、小説と言う空気を吸い込みながら読んでいった。

     

    その、喪失感から生まれるストーリーの言葉のリズムや、背景の色彩は僕の心の中の、ある部分の限定されたダークな世界に、四季の美しさを思わせるような輝きを思い出させてくれて、ゴッホの絵の様に、誠実に抽象的に、心に響きわたる色の光景を永続的に心の中に描き続けてくれた。

     

    それが、始まりである村上作品との出会いから、歳を重ねるごとに、現在まで発刊され続けて来た村上さんの作品の数々は、僕の心の中に色とりどりの色彩で描き続け、僕の感性を刺激し変え続け、未だに僕にとっての終りのないストーリーの続きを見させてくれるかもしれないと言う 期待と、まだまだ、その比類なく魅力的な言葉の表現力で、見たこともない光景を見させてくれるあろう世界観が、

    今まで村上さんの作品に触れて来た理由かもしれない。

     

    そして、この作品も、どうしようもない喪失から始まり、ページをめくる度に、この不思議な物語がこれからいったいどのよう に

    展開していくのか?そして、探索し、発見して再生して行くのか?そんなプロットの中に埋め尽くされたストーリーの描写の言葉の表現力や、言葉のリズム感、その世界観は、他の作品と同じように、僕が暗闇から出口の求める道の光に導かれるように、また、何かを探し求めるように、いろんな扉を開きながら別のところに連れて行ってくれて、「騎士団長殺し」の絵も、そのイデアの存在も、免色と言う男も、「白いスバルフォレスター」の男も、鈴の音も、メタファーの世界も・・・全て繋がった世界に広がり続け、何とも言えない不思議な光景を見させてくれた。

     

    それはまるで、昼に聴くモーツァルトのシンフォニーのような、あるいは夜に聴くセロニアス・モンクのピアノのような・・ ・

    素晴らしい音楽の数々が、僕の心の中に解き放たれ続けてくれるように、ストーリーを超えたところで、読み終わった後でも、僕の心に重なり合って共鳴し、響き続けてくれている・・・

     

    そう、他の作品と同じように・・・

    尽きることなく・・・

     

    それが僕にとっての村上ワールドなんだ。


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